光波のしくみ
こんにちは。サンです。
若手土木技術者や土木系大学の1~2年生には避けて通れない測量ですが、専門用語や道具がさまざまあって、覚えるのは大変です。
今日は光波についてまとめてみようと思います。
1.光波関連の専門用語
2.光波のしくみ
3.ノンプリズム測距
の三本立てで書いてみようと思います。
1.光波関連の専門用語
光波とは光波測距儀のことをいいます。
土木業界では一般的に以下のものを指すのではないでしょうか。
・トランシット
・セオドライト
・トータルステーション
これらの違いについてはウィキペディアにまとめられています。
トランシット・・・トランシット (transit) とは望遠鏡の中心点を基準として、望遠鏡で視準した点または方角に対する角度を計測する測量器械の一つ。
セオドライト・・・セオドライト(theodolite)は水平面、垂直面における角度を測定するための精密光学計器である。
トータルステーション・・・距離を測る光波測距儀と、角度を測るセオドライトとを組み合わせたものであり、従来は別々に測量されていた距離と角度を同時に観測できる。
それぞれの違いは以下のとおりですが、要するにトランシットは簡易測量や測量実習用、セオドライトは精度の高い測角計、トータルステーションはセオドライトに光波測距儀+データ処理機能を付加したものだそうです。
以下、引用文[1]
欧州で発明されたセオドライト(theodolite)が米国に渡り、米国ではこの種の器械をトランシットと称呼するようになった。日本で光学的測量器械が使われ始めてしばらくは、セオドライトもトランシットも経緯儀(けいいぎ)と、称呼されていた。
日本国内でセオドライトやトランシットが製造されるようになると、バーニヤ目盛で角度を読み取る構造のものを「トランシット」、内蔵している精密分度盤に刻まれた数字をマイクロメーターで読み取るものや、デジタルディスプレーに表示された数字を読み取る構造のものを「セオドライト」と区別するようになった。
およそ1990年頃以降は、高精度を要しない林業農業用や簡易測量用、教育実習用以外のトランシットは殆ど製造されておらず、測量業務ではデジタル数値表示の電子セオドライトや測角精度が極めて高いデジタル数値表示のセオドライトに光波測距儀やデータ処理機能を付加したトータルステーションが用いられている。
光波測距儀というとレーザー測距計なども含まれるようです。トランシットやセオドライトについては角度を測る道具ということで、光波測距儀ではないんですね。セオドライトとトランシットの違いについては国や地域、年代によって意味が変わってくるようですが、ここでは割愛します。
2.光波のしくみ
光波測距儀の測定原理についてまとめます。大きく以下の3つがあるようです。
・位相差方式
・パルス方式
・その他
私が使ったことのある光波はパルス方式だと思います。その他については光波以外の測定方法が書かれているでしょうか。以下、引用文[1]。
位相差方式・・・測距儀から測点に設置した反射プリズム(コーナーキューブ、ミラーとも呼ばれる)に向けて一定の周期で明滅する強度変調した光波を発射し、反射プリズムで反射した光波を測距儀が感知するまでに明滅した回数から距離を得る、というもの。
パルス方式・・・物体に向けて短パルスを放射し、パルスを放ってから戻ってくるまでの時間から距離を求める。光源にはレーザーを用いる。
その他・・・距離を計測するだけでなく水平角度、垂直角度を計測する経緯儀としての能力を持った測距儀はトータルステーションとも呼ばれる。光波の他に電波を利用した電波測距儀がある。こちらは、測定距離が十数キロメートルと長い場合に利用する。ただし、光波測距儀に比べて測定精度は落ちる。光波測距儀でも計測できないほど測定距離が長い、精度が欲しい、若しくは測点との目視ができない場合はGPS測量機を利用した測距を行う。
3.ノンプリズム測距
トータルステーションにはノンプリズムでの測距機能がありますが、どういう原理なのか気になったので調べてみました。
ノンプリズム計測の原理について調べましたが、特に情報はありませんでした。ということは原理はプリズム計測と同じということかと思います。
ノンプリズム計測はプリズムがいらないので簡便で、一人で作業ができます。一方で測定物の物質や形状、水たまり等で値が変わってくるそうです。
出来形測定にノンプリズム方式を用いることもできるみたいですが、舗装工事の厚さ(基準高さ)で勾配が-6%以下程度等、限定された条件のようです。[2]
まとめ
今日は光波について
1.光波関連の専門用語
2.光波のしくみ
3.ノンプリズム測距
の三本立てで記事を書きました。
光波とは光波測距儀のことで、さらに測角とデータ処理機能を付加したものがトータルステーションです。パルス方式については原理は簡単で光波(パルス波)が物体に当たって戻ってくる時間から距離を測定する。ノンプリズム測距についても原理は同じで、簡便で一人で測量できるが精度は落ちる。
土木の現場で使われる光波がなんなのかいくらか明らかになったと思います。記事としてはただウィキペディアをまとめただけにすぎませんが。
今後も疑問に思ったことを書いていこうと思います。
今日の記事は以上になります。
参考文献
[1]ウィキペディア
[2]ノンプリズム方式を用いる場合の手引き-関東地方整備局-平成25年3月